お知らせ


~ 平成30年度 五稜郭ソーラーカヌー大会 結果報告 ~



 1.主 催 平成30年度五稜郭ソーラーカヌー大会実行委員会 

 2.特別協賛 野田貸ボート店 

 3.協 賛 一般社団法人日本機械学会北海道支部 

 4.後 援 函館市,函館市教育委員会,函館造船工業協同組合 




 10月3日(水) 爽やかな秋晴れの下、第3回目となる平成30年度 五稜郭ソーラーカヌー大会が無事開催されました。



 今年度の参加チームは、3校3チームでした。

 以下、当日配布資料より抜粋。 

 Noチーム名  チームからのメッセージ
 1 函館高専ソーラーカヌー愛好会

Soleil Boat

函館工業高等学校専門学校
 年に続き2度目の挑戦です。前回、藻がからまり最大限の実力を発揮できなかったため、今回のレースでは反省をふまえて船を改造し、記録を更新できるように走ります。
 2 HTH函工(全日)

パシフィスタ函工

函館工業高等学校(全)
 4月から、船体の製作に取り掛かりギリギリの作業の中レースへ臨みます。初出場となりますので、完走できるよう頑張りたいと思います。船体を大きくなりすぎずも、安定感のある形状を目指して製作しました。
 3 函館工業高校定時制

Stella 改

北海道函館工業高校(定)
私たち函館工業高校定時制工業研究部では、昨年度二連覇を逃した悔しさを胸に、この一年間活動してきました。前回優勝を逃したStella号を大幅に軽量化し、ソーラーシステムで駆動させるバブルシステムで推力アップを図りました。本校は今年で建築科が閉科となり、平成32年には電子機械科単科となりますが、生徒全員いきいき頑張っています。函工定時をもっと街にPRしたいという思いをこめて、本番では総合優勝を狙います!




私たち函工定時チームは、昨年度参加のStella号に改造を加えたStella改号での出場です。

 昨年度に比べ以下のような改良を加えました。

・操舵ハンドルを船前方から船中央部へ下げ、船の重心を後ろへ下げた
 ・操舵方法を自動車のハンドルのような方式へ変更した
 ・プロペラガードの形状をインテーク形状へ変更した
 ・ソーラーシステムにより作動するポンプを設置し、気泡を水流に混ぜることにより推力アップを図った
 ・風よけの素材を変え、軽量化した
 ・風よけを開閉できるように変更し整備性を向上させた
 ・船後方へ持ち手を設置 運搬しやすさを向上させた



書くと大したことのないように感じる変更点ですが、一つ一つに時間をかけ、試行錯誤を繰り返してたどり着いた改良点ばかりです。

そして、極力既製品に頼らず、自分たちの手で素材から部品を作り上げてきました。

だからこそ、思い入れがあり、一つ一つの部品の信頼度が良くも悪くもわかっています。
 手作りだからこそ、既製品よりももしかすると見た目が悪かったり不安要素があるかもしれないというデメリットも潜んでいますが、既製品を使ってしまうと、その過程での経験や学びが減ってしまいます。

 工業研究部としては、過程で学ぶ技術や経験を大切にものづくりを進めてきました。





 前回の更新の後、プールでの試走をおこないましたが、そこで実は今回の船の心臓部とも言うべき操舵システムの部品が壊れてしまいました。

このアクシデントも、「本番で壊れなくてよかった。試走で壊れてよかった。」と前向きに捉え、改良したパーツを1日で作り上げて臨んだ本番でした。




それでは、大会当日の様子をご覧ください。


開会式 ・ 船体検査


 大会委員長より、大会開催の経緯がお話されました。
 1を10にする大変さもありますが、新しい大会を立ち上げるという0を1にする過程での大変さやそこに込められた思いが話され、選手一同真剣に耳を傾けていました。

また、ドライバーは今年から変更されたルール説明を真剣に聞いていました。

 開会式後、船体検査がおこなわれ、定時制チームも無事通過することができました。

その後、各チーム、堀へ船を下ろします。
 今年取り付けた自作取っ手のお陰で、去年よりスムーズに下ろすことができました。




タイムトライアルレース



二の橋をスタートし、一の橋方向へおよそ100m、ブイをターンして二の橋へ戻ります。
 二の橋を通過すると15m間隔で置かれた3つのブイを左右ジグザグにターンし、再び二の橋へ戻ります。3つのブイは必ず左右交互にターンをしなければなりません。
この新しいコースは今年度からのもので、より高い操舵性能が要求されます。
そして、二の橋をくぐりゴールです。
全長約400mのコースとなっています。



 一番手は、函館工業高校全日制チームです。

 初参加とは思えない船の安定性、操舵性で、見事な好タイムをたたき出しました。


 二番手は定時制チームです。

 操縦するのは、今回が初ドライバーとなる、副キャプテンです。

 事前の試走では、持ち前の「勢い」で一同ヒヤッとする場面がありましたが、果たして本番はどうか!?




結果、3分05秒23 で第1位 獲得!!

ヘルメットを忘れるというアクシデントもありましたが、終始落ち着いたレース運びで見事、大会のベストラップをたたき出しました!!

 初めてのジグザグコースも、見事クリア。
ハンドルを切った後に体を傾けて曲がるテクニックもしっかり決めていました。

 若干膨らんでしまったのが悔やまれますが、大きなミスもなく試走での練習の成果が出ました。
 一番手として、この上ない仕事をやり遂げてくれました!
 直前まで調整していた操舵ライン含め、船体も問題なさそうです。

マッチレース



 マッチレースでは、2艘同時にコースを走り、タイムを競います。

 今までは単走形式でしたが、今大会から初めてこの対戦形式が導入されました。
横波の影響も出てきますし、二艘同時に走る緊張感というのものも今までになかったものです。

レース前も、コースをどのようにターンするか、各チーム戦略をたてる様子が見られました。


マッチレースには、昨年度のリベンジを誓うキャプテンがドライバーとして挑みます

第一試合は、定時制チーム VS 全日制チーム です。

スタートの笛が吹かれ、2艘同時に一つ目のブイへまっしぐら!


両者見事なターンを決め、ジグザグのテクニカルコースへ。


両者、巧みな操縦でテクニカルコースをクリアし、ラスト50mのストレート勝負!!
 最後はタッチの差という、大接戦となりました。
橋の上からも沢山の歓声が飛びました。

 接戦を制し、3分10秒07というタイムでゴール。

 二艘で走ると、やはり、お互いの起こす波の影響が少なからずタイムに影響しているように感じました。





 第二レース 定時制チーム VS 高専チーム

高専チームの船の不具合もあり、タイムとしては3分16秒04でゴール!

結果、2勝でマッチレース第1位 獲得!!

総合タイム 9分31秒34 で総合第1位 獲得!!

チーム一同で一年間目指してきた総合優勝を果たし、昨年度のリベンジを果たすことができました。

キャプテンが、昨年度の敗戦後にぽつりとつぶやいた「負けるのは好きじゃありません」という、あの悔しそうな表情がふと蘇りましたが、
その悔しさがこの一年間のモチベーションにつながり、今日の結果の彩りをより鮮やかにしてくれたのだと感じました。




キャプテンはNHKのインタビューにも立派に答え、うまく話せず本番の放送でカットされてしまった2年前のリベンジも果たすことができました。 



大会終了後は、チーム全員と当日の大会運営サポートに協力してくれた本校生徒と一緒に記念撮影。

大会を振り返って

 今大会でも、第1回大会から運営に尽力してくださっている多くの方々のご協力をいただき無事開催することができました。
 会場に立てられた立て看板一つとっても、そこにはこの大会の成功のために奔走し汗を流して下さっている方の思いが込められています。

 大会結果だけに目を向けるのではなく、この大会の成功のために多くの方の有形無形のご協力があったことへの感謝を忘れてはいけません。
 多くの方の協力と応援があって、初めて回を重ねていける大会です。


 大会開催のために奔走し、また本校の船体搬送にも全面バックアップをしていただいた大会運営委員会の皆さま
 ご協賛、ご後援いただきました企業、団体、OBの皆さま
船体製作のために技術サポートいただいた、本校電子機械科、電気科、建築科、そして全日制体育科の皆さま
素晴らしいロケーションでの大会開催をバックアップして下さった野田貸ボート店様はじめ関係者の皆さま
大会で使用する浮きを無償で提供して下さった、関谷製網所の皆様
 船体製作の上で大切な考え方や、ものづくりをする上で大切な姿勢を教えて下さった七飯町 N-CANOEの皆様
そして、平日はもとより、夏休み含め朝早くから夜遅くまでの活動を支えて下さった保護者の皆さま。 

 本当にありがとうございました。

これからも大会を続けていけるよう、今日の思いを忘れることなく、また頑張っていきましょう!!




 今回は、3校3チームの参加があり、大会としてより一層見ごたえのある大会となりました。
 対戦形式は見ている側も思わず手に汗握る緊張感がありました。
 選手にとっても、「ライバルがいる」というのはとても良い刺激になったと思います。
やはり負けるのは悔しいですし、そうした思いが「より良いものを作ろう」という次へのモチベーションになります。

ソーラーカヌーそのものの完成度、そして、大会そのもののクオリティを今後さらに熟成させていければと思います。


3回目の大会を無事に終えましたが、やはり何度見ても、あの「特別史跡 五稜郭公園」の堀を自分たちの手で作った船でスーッと走るあの光景は、何とも言えぬ感動と美しさがあります。
 大会に携わったすべての人、そして、当日観戦して下さったすべての人とあの光景を共有できたということをとても幸せに感じます。




 さて、部活動としては一つ節目を迎えました。
 今まで部を引っ張ってきてくれた4年生はこれで前線を離れます。

さあ、2、3年生!次はあなた達の番ですよ!先輩たちから学んだ技術とものづくりへの精神を引き継ぎ、新しい自分たちの部を作り上げていってください!!

4年生の皆さん、お疲れ様でした!!有終の美を飾ることができてよかったですね。 



 大会運営に関わったすべての皆さん、お疲れ様でした!
そして、応援して下さったすべての皆さん、本当にありがとうございました!!




フォトギャラリー



毎回足を運び撮影をしていただいている本校写真部と、大会運営本部より提供していただいた写真です。