お知らせ

~ 令和元年度 五稜郭ソーラーカヌー大会 結果報告 ~



 1.主 催 令和元年度五稜郭ソーラーカヌー大会実行委員会 

 2.協 賛 一般社団法人日本機械学会北海道支部 

 3.後 援 函館市、函館市教育委員会、国土交通省北海道運輸局函館運輸支局、函館造船工業協同組合 

 4.協 賛 一般社団法人 日本機械学会、日本機械学会北海道支部、サンテクノ株式会社、新技術開発サロン 





11月2日(土) 肌寒い秋風が吹く晴天の下、第4回目となる令和元年度 五稜郭ソーラーカヌー大会が無事開催されました。



 今年度の参加チームは、3校3チームでした。

 以下、当日配布資料より抜粋。
 NO
 チーム名
 チームからのメッセージ
 1 函館工業高校全日制

シャトル函工

函館工業高等学校(全)
 船体の構造は、バドミントンシャトルの空筒とダンボールで製作し、FRPを貼りました。軽さを求めて製作を行いました。クギやネジをほぼ使わず製作した船体で完走を目指します。
 2 函館工業高校定時制

legno

北海道函館工業高校(定)
 本校定時制は、今年度で機械科と電気科が最後となり、来年度からは電子機械科単科となります。1年生の時から大会に参加してきた機械科・電気科の4年生部員にとって最後の大会となります。機械科、電気科。そして電子機械科の技術の粋を結集して製作した三号機で優勝を目指します!約1年かけ図面設計から船体製作まですべてを自分たちで手掛けました。応援よろしくお願いします! 
 3 函館高専ソーラーカヌー愛好会

Golden Hind

函館工業高等学校専門学校
 私たち函館高専ソーラーカヌー愛好会は、五稜郭ソーラーカヌー大会の出場に向け会員勧誘を行い、安全には十分に気をつけて準備や練習を行ってきました。船に追加した機構などにより、前回の船よりも良い結果を残せると思うので、優勝目指して頑張ります!




私たち函工定時チームは、昨年総合優勝を成し遂げた二号機ではなく、新たに一から製作した三号機で挑戦しました。

 三号機の主な製作ポイントは次の通りです。

●Vベルトとプーリーを用いた操舵システム●
 ●前後調整可能なドライバーシート●
 ●水の抵抗を最小限に抑えられるよう工夫した船首形状●
 ●クレーンで吊り下げられるように取り付けたフック●


この他、今回はスポンサーに付いて下さったサンテクノ株式会社製のBAT.MANも搭載しました。
このBAT.MAN、バッテリーに取り付けることで、ブルートゥースでスマートホンへ残量表示できるという優れものです。

この大会に興味を持っていただき、技術提供含めスポンサーについていただける企業様がいるというのは、本当にありがたいことです。
 感謝を込めて、大会終了後にモニターとして製品の使用についてレポートを提出させていただきました
地域密着開催の大会ということで、この大会が何かそうした媒体として活用していただければ嬉しいですね。


さて、今年も前日に試走があったのですが、やはり「試走は大事」だと再確認しました。



試走で操舵システムに不安な点が見つかり、帰校後、みんなで修正作業を行うことができました。


そして、いよいよ迎えた大会本番です!


開会式 ・ 船体検査


 大会委員長より、大会開催までの経緯が話され、選手一同真剣に耳を傾けていました。

 今大会では、函館造船株式会社の全面バックアップをいただき、浮き桟橋を設置し、安全な乗降が可能となりました。
 大会当日もサポートしていただき、安心して競技を進めることができました。
 大会委員長から、こうした沢山の方々の協力があり開催できる大会であることが話され、参加者全員で改めて大会に臨む姿勢を再確認することが出来ました。
また、ドライバーは競技ルールおよび安全確保の注意点について確認しました。

 開会式後、船体検査がおこなわれ、定時制チームも無事通過することができました。

その後、各チーム、堀へ船を下ろします。



タイムトライアルレース



一の橋をスタートし、最初のブイを左折し、およそ100mの直線コースを走り、その後、ブイをターンして二の橋まで戻ります。
 当初、最後の直線コースは昨年同様のジグザグコースが設定されていたのですが、強風でブイが流されてしまうアクシデントがあり、急遽、直線コースへと変更されました。


 風があり、水面には波が立ちコンディションとしては良くありませんでした。

 函館工業高校全日制チームに続き、二番手は定時制チームです。
 操縦するのは、今回が二度目のドライバーとなる、部長です。
 「勢い」があると定評のある部長、果たしてどうか?!


出だしは好調!

最初のコーナーもえぐるようなスピードで見事曲がって行きました。

ところが・・・!

なんと、突然失速! 部長がリタイアの合図を送っています!!

 聞くと、舵がきかないとのこと。

 救護艇に牽引されてスタート地点まで戻ってくることとなりました。




部員総力で原因を探ります。

 見ると、舵を切るためのブVベルトをかけているシャフトが軸受けから抜けてしまっている様子。

 試走では出なかった現象です。
 船が水の抵抗で歪み、部品に隙間が出来てしまったのかも知れません。
 本番のスピード・曲がり角度による水の抵抗が試走の時よりも大きく働いたのかも知れません。


いずれにしても、このままでは完走することもできずにリタイアとなってしまいます。

 一年をかけて作ってきたこの船をこれで終わらせる訳にはいきません!!
これが最後となる4年生を船に乗せずに大会を終わらせることはできません!


 部の総力をあげ、その場にある道具と材料を使って突貫工事の応急処置を施しました。



そして、なんとか1本走れるか?という状態にまで直すことができました。

そして、タイムトライアルのリトライを認めてもらい、もう一人の4年生部員が乗りこむことになりました。


みんなの思いを乗せて、行け!legno!!



結果、見事完走!!!タイムは2分32秒で第2位。
1位とは7秒差でした。

 万全な状態であれば、もう少し良いタイムが出せたかもしれませんが、それも含めて試合です。

ゴールの瞬間、観客からは大きな歓声が上がりました。
 多くの方から「ゴールできて良かったね~!」「修理頑張ったね~」「ゴールできてほっとした~」といったあたたかい言葉を沢山かけていただきました。



 残念ながらマッチレースには参加できず、総合順位は第3位となりました。

 1本完走できたとは言え、一年間かけて船を作ってきた部員にとって納得のいく結果とはとても言えません。

この一年、一人一人が自分の担当している部品に責任をもって真剣に向き合ってきました。
 自分たちの船への愛着や誇りを人一倍持っていた部員にとって、とても悔しい大会になりました。


しかし、一生懸命真剣に取り組んできたからこそ、「悔しさ」や「感動」といった感情が生まれるのだと思います。

 順位は残念でしたが、その過程で学んだ技術や経験は大きな財産となることでしょう。
そして、真剣に取り組んだことは「次」につながります。

 今のその悔しさを忘れず、更に成長していってくれることを期待しています。


まずは、不具合の原因をしっかり検証し、次年度へ向けてどう取り組んでいくか方向性を考えていきましょう。



ちなみに今回、優勝は逃しましたが、「審査員特別賞」を函館造船株式会社社長よりいただきました。

 「優れた技術」に対して贈られる特別賞をいただけたのは、とても嬉しかったですね。 




大会終了後は、チーム全員と当日の大会運営サポートに協力してくれた生徒と一緒に記念撮影。

大会を振り返って

 今大会でも、第1回大会から運営に尽力してくださっている多くの方々のご協力をいただき無事開催することができました。
 特に今年度は、函館造船株式会社の皆様に大変お世話になりました。

ドライバーの乗降場所となる浮き桟橋を設置していただき、スムーズかつ安全に競技進行をすることができました。


また、大会開催のために奔走し、また本校の船体搬送にも全面バックアップをしていただいた大会運営委員会の皆さま
素晴らしいロケーションでの大会開催をバックアップして下さった函館市役所関係者の皆さま
 ご協賛、ご後援いただきました企業、団体、OBの皆さま
船体製作のために技術サポートいただいた、本校電子機械科、電気科、そして全日制体育科の皆さま
 そして、平日はもとより、夏休み含め朝早くから夜遅くまでの活動を支えて下さった保護者の皆さま。 

 本当にありがとうございました。
この大会の成功のために多くの方の有形無形のご協力があったことを、今まで以上に感じることができた大会となりました。
 「続けていく」ためには、多くの方の協力と応援が必要です。

これからも大会を続けていけるよう、今日の思いを忘れることなく、また頑張っていきましょう!!




 4回目の大会を無事に終えましたが、紅葉に色づく「特別史跡 五稜郭公園」の水堀を自分たちの手で作った船でスーッと走るあの光景は、何とも言えぬ感動と美しさがあります。
 大会に携わったすべての人、そして、当日観戦して下さったすべての人とあの光景を共有できたということをとても幸せに感じます。

また、今年は土曜日開催ということもあり、今までで一番多くの方々に大会を観戦していただくことができました。
 地域の子供達にものづくりの面白さを伝えられる、そんな大会に育っていけばより意義深い大会となりますね。


 当日、会場へ足を運び声援を送って下さった皆様、本当にありがとうございました!


4年生の皆さん、お疲れ様でした!! 

 大会運営に関わったすべての皆さん、お疲れ様でした!
そして、応援して下さったすべての皆さん、本当にありがとうございました!!




メディア掲載



北海道新聞 動画ニュース


フォトギャラリー



毎回足を運び撮影をしていただいている本校写真部と、大会運営本部より提供していただいた写真です。

   




来年は第5回記念大会です!!また来年、会場でお会いしましょう!